横浜市南区弘明寺のアレルギー科・耳鼻咽喉科
いでい耳鼻咽喉科医院

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ゴッホと病気 ~メニエール病など~

新宿駅でゴッホ展のポスターを見つけました。上野でゴッホ展が開かれているようです。ゴッホの絵は世界中で特別人気があり、私もファンの1人です。今年10月25日に「モンマルトルの通りの光景」がパリのオークションで16億円以上もの高額で落札されました。しかし、ゴッホは生存中に1枚も売れずに、大変貧しかったことは有名な話です。晩年は精神病院に入院させられていました。精神疾患以外にもメニエール病や梅毒を合併していたという説もあります。

メニエール病は回転性のめまい、耳鳴り、難聴の3症状が繰り返します。ストレスや運動不足が関係していることが多いのですが、遺伝も関係しているとも言われています。ゴッホの絵には空の雲や星が回転しているような絵があり、メニエール病の患者さんが見ている風景に似ています。ゴッホは片耳を自ら切除してしまいましたが、これは不快な耳鳴りとも関係があると言われています。

ゴッホは晩年には黄色が一番素晴らしい、とも言っています。ある種の精神疾患で使用していた薬ジキタリスでは見たものが黄色に見えることがあり、ひまわりなどの黄色など絵が増えていったのと関係があるのでは、と考える人もいます。黄色は白を除けば最も明るく、光をイメージ出来る色です。精神病院に入れられた後も、黄色は明るい光をイメージ出来たかもしれません。ゴッホの父は教会の牧師でしたし、ゴッホ自身も同じ聖職についていたことがあります。ヨーロッパの教会では、暗い室内に荘厳とも思える光が差し込むように出来ています。光の一部はステンドグラスを通して、美しい色に変わります。ゴッホもそんな光に特別な意味を感じていたのではないでしょうか。

梅毒は当時ヨーロッパで流行しており、ゴッホも感染していたのではないかという説もあります。梅毒の末期には神経梅毒と言われる精神障害が出てきます。悲惨な状態ではありますが、突然頭が異常に冴えて、素晴らしい作品を短期間でたくさん生み出すこともあります。ゴッホは約70日間に有名な名画を約80点も完成させました。他に同様な病状で有名なのはシューベルト、ニーチェなどです。

ゴッホは目の前の風景を尊敬の気持ちを抱いて、そのまま書き写すべき、と述べていました。一時同居していたゴーギャンは、見たものに自分の解釈を加えて描くべきで、そのまま書き写しては意味ないと訴えて、意見が合わず離れてしまいます。

ゴッホの絵は、ある意味ゴッホの見たままの姿とも言えます。じっと見ていると、まるで動き出してきそうです。どんな理由があろうとゴッホの絵の価値が下がることはありません。
私も機会を見て、ゴッホ展に出かけてきます。