横浜市南区弘明寺のアレルギー科・耳鼻咽喉科
いでい耳鼻咽喉科医院

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【No.210】ダイビング初心者の心理と対応

ダイビング初心者が陥りやすい心理について、私の経験も踏まえて書いていきます。事故が起こらないためにも、とても大切なことです。経験不足や知識不足が主な原因ではありますが、精神的な問題は同じくらい大切なのです。

初心者以外でも、インストラクターやガイドにはぜひとも知っておいて欲しい内容ばかりです。

1.パニックになりやすい
 予期せぬことが起こると、どんな状態が起こっているのか、すぐには理解できずにパニックに陥りやすい。海の中で呼吸が出来るのか、死んでしまうかも、と考えてしまうと、どんどん呼吸が早くなっていき、エアーの消費が進んでしまう。過換気(過呼吸)症候群にまでなってしまうと、もうろうとして、更に状況が悪くなってしまう。
 何か動かないものにつかまって、出来る限りゆっくりと呼吸をしてもらう。

2.エアーが足りたくなるか心配
 通常の自分のエアーの消費量が分からないか、まだ不安定。中性浮力、マスククリアに慣れていない、耳抜き不良、パニックが主な原因。ウェイトやレンタル機器が合っていないと、エアーの消費が進んでしまうこともある。

3.本当に安全か不安が大きい
 事故の話を聞いたり、家族などからの反対され、いつも以上に不安になっていることがある。

4.耳抜きができるかどうか不安
 私もそうですが、耳抜き不良の方は、ダイビング前にはいつも心配している。他のダイバーに迷惑がかからないように気をつかって、本当は耳抜きが十分に出来ていなくても、我慢してOKサインを出してしまうこともある。
 落ち着いて一回一回しっかりと耳抜きをすることが大切。
 耳抜き不良の人はリバースブロックにもなりやすいので、浮上するときもスピードに注意が必要。

5.ロスト
 他の人と離れて1人になってしまわないか、という不安が強い。    初心者は視野が狭い。
無理に速く追いつこうとして、疲労やエアの消費にもつながる。

6.急浮上
 パニックになると過呼吸になり、肺に空気が溜まりやすくなる。また、不安になると、立位の状態になり、いつのまにかフィンが動いてしまい、どんどん浮上してしまう。不安になったら、岩や潜行ロープにつかまったり、フィンが動かないように、ガニ股にするとよい。
 呼吸でしっかりと吐くことを意識することが大切。

7.船酔い
 船酔いを一度経験してしまうと、しばらくはトラウマになり、また船酔いしてしまうのでは、と考えやすい。
 直前に食べ過ぎないように、疲労や睡眠不足にも注意。船は中央で、エンジンの煙を吸い込みにくい位置に座り、遠くの景色を見る。乗り物酔いの薬もあるが、眠くなったり、特に中高齢者では副反応で飲めない人もいるため、医師や薬剤師にも相談が必要。

8.我慢をしてしまいやすい
 他のダイバーに迷惑をかけないように、本当は大丈夫じゃなくてもオッケーサインを出してしまったり、エアーの残量も少なめに申告しやすい。

9.下手だと思われないように
 実力よりも頑張ってしまう人もいる。体育会系に多い。

10.体調はあまり良くなくても、もったいないから、参加してしまう
 ある程度上手くなった頃に多いケース。どのくらいの体調でダメなのかよく分からない。ベテランになれば、なんとかなることも多いが、初心者では余裕がない。

11.エアーを出来るだけ消費しないように浅い呼吸をしてしまう
 この呼吸は逆に非効率。ゆっくりと、大きな呼吸が大切。特にゆっくりとしっかり吐き切ることを意識する。そうすると、深呼吸をした時と同じで、気持ちも落ち着いてくる。このことについては、後日別のブログを書きます。

12.マスククリアが十分でない
 スキルの問題以外に、マスクが合っていない、髪の毛が挟んでしまっているなどが考えやすい。何度もマスククリアをしていると、レンズの曇り止めが取れていき、更に曇りやすくなってしまう。パニックになりやすい原因として多い。

13.タンクとBCの接続が緩くなって、外れる
 しっかりと固定できていない。海外のレンタルだと、緩みやすいこともある。タンクが外れると、パニックになる。初心者では、海中で、落ち着いてタンクを付け直すことはできないので、手助けが必要。

14.機材の使い方に慣れていない
 予期せぬことが起こると、慌てて誤った器材の使い方をしてしまうことがある。
ダイビングをする前に陸上や船の上で再度機材の使い方を説明し、出来るか確認する。安心して、冷静になってもらうためにも大切。