2025/07/08
のどがイガイガして受診される患者さんは少なくはありません。大抵はウィルスなどの感染症や声を使い過ぎている場合です。でも、時には声帯ポリープやガンの患者さんもおられますから、耳鼻咽喉科を受診される事は大切です。
このような患者さんの中には、うがいのやり過ぎで、のどのイガイガが続く方も多いのです。昨日来られた患者さんの例をあげます。
約半年前から、のどのイガイガが取れない。痛みはなく、食事は問題なし。熱はなく、たまに咳がでる。色々な病院を受診して、あまり心配ないと言われ、薬やネブライザーなどの治療を受けても改善はしない。
この患者さんはうがいのし過ぎが原因でした。のどや口は常に濡れていないといけません。唾液や粘液の中には、免疫に関係する大切ものもたくさん入っています。それを、うがいのし過ぎで流してしまっていたのです。のどや口はどんどん乾燥していき、雑菌も増えて、かえってイガイガしてしまいました。カンジダというカビが付くこともあります。
特に夏になると汗をたくさんかいてノドは乾きます。また、冬は空気が乾燥して、更にエアコンを使うと喉が乾きやすくなります。声をよく使う仕事の方、エアコンのついた部屋に長くいる方、車の運転を長くする方は更に喉が乾燥します。
うがいは感染症の予防として勧められます。もちろん、外出から帰ったらうがいをするのは悪いことではありません。でも、やり過ぎは逆効果になることがあるのです。
喉がイガイガしたときにオススメなのは、まず軽く2〜3回うがいをする、そして水やお茶を飲む。もしもイガイガしている原因がノドに付着していれば、それをノドから離せば良いのです。同時に喉が少し潤います。ジュースだと口やノドがベトベトしますから、その後で水やお茶を飲んで下さい。ビールなどのアルコールも利尿作用により、後からのどが乾燥していきます。
先程の患者さんは、のどのイガイガがなかなか取れないため、うがいの回数がどんどん増えていってしまったそうです。病態の説明と、生活指導をさせて頂き、特別な治療もせずに、症状は消えました。
うがいはやり過ぎないように注意しましょう。