横浜市南区弘明寺のアレルギー科・耳鼻咽喉科
いでい耳鼻咽喉科医院

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ダイビング中でのめまいは命取りになることがあるその対応とリバースブロック②

リバースブロックとは、浮上時に中耳腔内の空気の体積が増えていく時に、速やかにその空気が上咽頭に排泄されない場合におこります。鼓膜が強く外側に押されて、破れそうになるため、激しい痛みが出ます。実は、鼓膜にはもう1つ別の第二鼓膜(正円窓、卵円窓)というものが、中耳と内耳の間にあります。この第二鼓膜までが強く押されると、その先には平衡感覚を司る三半規管などがありますので、激しい回転性のめまいが起こるのです。その第二鼓膜が一部破れると内耳のリンパ液が漏れ、聴力が低下していきます。これが、ダイバーならば誰もが習ったことのある外リンパ漏です。

ダイビング中でめまいが起こった場合の対処法は
①まずは目を瞑って
②出来るだけゆっくりと深呼吸
③身体(特にフィン)を動かさない
④岩や潜行ロープがあれば掴む
⑤唾をゆっくりのむ
⑥落ち着いてきたら、一度少し元の深さに戻り、ゆっくりと浮上

目が回っている時には、自分の意志とは無関係に目が激しく動いています。これを眼振と言って、めまいの診察では必ず検査します。この眼振があると、周囲の風景が回って見えてしまうのです。ですから、めまいが起こったらば、まずは目を閉じること。そして、数をゆっくりと15数えて下さい。その後ゆっくりと目を開けると、めまいは軽くなっているはずです。まだめまいがあれば、もう一度同じことをすると、たいていはめまいが消えています。大半は30秒以内には激しいめまいは消えるからです。リバースブロックは元の深さまで戻れば楽になりますが、パニックを起こさないためには、むしろその場を動かない方がいいと思います。その後、唾を飲んだり、元の深さにもどるなどして、中耳の圧を調整します。落ち着いたらば、出来るだけゆっくりと浮上して下さい。

一度同様のことを経験されたり、心配なようでしたら、ダイビングとめまいに詳しい耳鼻咽喉科の医師を受診して下さい。