2025/09/03
当院にはスタッフの教育のための専門家が2人いて、先日、接遇のショートレクチャー(講演)をして頂きました。
その後のスタッフの反応から、私が学んだことがあります。今日はその時の話をします。
講演の内容は、接遇に関するごく基本的なものでした。でも、残念ながら本意が十分に伝わらなかったスタッフも少なくありませんでした。
もちろん話を聞く方にも問題はあります。話をしっかりと聞けるようになることは、学校の国語の学習目標でもあります。
でも、今回は、伝えることの難しさと大切さについて述べていきます。
話をするときには、その内容こそが一番重要だ、と私は今まで信じてきました。でも、どうやらそうとも言えないようです。相手に伝わらなければ、意味がないからです。どんなに素晴らしい内容であっても、半分も伝わらなければ、価値は50点以下です。話の内容が60点位でも、しっかりと伝えられた方が良いとも言えるのです。
相手に話を伝えられるためには、以下のように様々なことが必要です。
伝えるための技術や話し方。
興味を引くような話題。
信用してもらうこと。
相手はどのような人なのか?
相手が何を求めているか?
相手にとって何が必要か?
特に相手のことを出来るだけ知り、話を合わせることが大切です。例えば、コンピュータが苦手な人に対して、コンピュータの専門用語をどんどん使って話をしても理解してもらえません。私も患者さんには極力専門用語を使わないように努力してきました。
人は様々な人がいて、こんなことは当たり前だと思って話を進めても、相手にとって伝わらないことがあります。自分にとっては当たり前だと思っていたことが、必ずしも相手にとっては当たり前ではないこともあるからです。また、その逆もあるでしょう。ですから話を伝えることは難しい。
話の内容が良いことはもちろん重要ですが、それ以上に相手にしっかりと伝えられるかが極めて大切だということを、私は改めて悟りました。
私は、今まで、患者さんにしっかりと説明するように努力してきました。でも、実際には十分に伝えられなかったことも少なくなかったのではないか、と反省しています。これからは、患者さんにしっかりと伝わるような説明を心がけたいと思います。