2020/06/25
以前より、めまいの薬を長期に飲んでいる患者さんがあまりにも多いことが気になっていました。いつも患者さんに、今まで病名は何と言われていたかを聞きますが、大抵の場合は教えてもらえていなかったようです。
めまいは熱や咳などと同じ症状であって、病名ではありません。病気が確定していないのに、
めまいの薬を飲み続けているのは、熱冷ましや咳止めを飲み続けている対症療法と何ら変わりはありません。もちろん良くなるはずは無く、もし良くなったとしても自然に良くなっただけで、再発することも少なくはありません。原因が解決していませんから当然ですよね。
当医院では出来る限りめまいの病名(メニエール病、前庭神経炎、良性発作性頭位めまい症など)と原因の疾患を明らかにしてわかりやすく説明し、根本的な治療を目指しています。更に、めまいの原因を解消して、日常生活を改善することで、薬や通院回数を減らし、再発しにくくする努力をしています。それこそが最も患者さんの為になると信じているからです。
このところメニエール病の患者さんが特に増えている気がします。ほとんどの患者さんはめまいの薬を長く飲んでいても良くならないということで当院を受診されます。メニエール病は回転性めまいと共に耳鳴りと難聴の3症状を繰り返します。最初はこの3症状が揃わないこともあります。新型コロナの影響でストレスが溜まり、運動不足が重なり、メニエール病が増えていると推測しています。当院では、病気の説明と、患者さんそれぞれにあった生活指導と適切な投薬をして、大半の患者さんのめまいは消失しています。