2021/03/29
昨日飛行機に乗るたび耳が痛くなる12歳の子供が来院しました。
私も同じ悩みを抱えています。
飛行機が降下していくと、気圧が急激に上昇し、鼓膜は外側から内側に押されていきます。その状態が続くと、鼓膜が破れてしまうこさえあります。通常はそうなる前に耳管(鼓膜の内側とのどを結んでいる細い管)を通して鼓膜の内側に空気が入ってきます。それが遅れると、鼓膜が引き伸ばされ、激しい痛みが生じます。飛行機が上昇中では、鼓膜が逆の状態になります。
耳管を通して、出来るだけ素早く、充分な量の空気が出入り出来なければいけません。
原因としては耳管が狭い、耳管の開閉が悪い、鼻が悪い、風邪や睡眠不足など体調が悪い、鼻やのどの腫瘍など。
耳管については耳管機能検査を行います。鼻はアレルギーや副鼻腔の検査を行います。
鼻疾患ならば比較的治療は容易です。腫瘍ならば手術や放射線治療。最も頻度の高い耳管に問題がある場合には、早めの耳抜きが必要です。耳抜きに詳しい医師を受診し、特別な指導とトレーニングを受けることをお勧めします。その際、中耳炎の治療器具であるオトヴェントはとても有効です。オトヴェントとは、片鼻で特別な風船を膨らませて、鼓膜の内側に空気が入りやすくします。