横浜市南区弘明寺のアレルギー科・耳鼻咽喉科
いでい耳鼻咽喉科医院

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【No.227】ダイビングのパニックは過呼吸になるためエア切れに注意

人は不安、緊張、ストレスがあると自然に呼吸が速くなってしまいます。これは自律神経によるもので、交感神経が副交感神経よりも強く働くと起こります。

自律神経とは、自分の意思とは関係なく働く神経のことで、ざっくりと交感神経と副交感神経に分かれます。交感神経は身の危険を感じると主に働き、その危険に対応するため様々な症状が出ます。その1つが過呼吸で、いつのまにか呼吸が速くなるのです。例えば、戦わなければいけない状況になると、たくさん酸素が必要とするので交感神経が働き過呼吸になる必要があるためです。

ダイビング中は楽しいのですが、不安感やストレスもあります。時に予期せぬことがおこると、パニックになることがあります。そして呼吸がいつの間にか早くなってしまうのです。早く呼吸をゆっくりにしないと、どんどんエアがなくなってしまい、エア切れになってしまいます。

また、過呼吸を続けると、より不安感が強くなり、さらに呼吸が速くなっていき、なかなか呼吸を整えなられなくなってしまうことも少なくありません。

過呼吸症候群という病気があります。救急外来では毎日のように、このような患者さんが来られます。過呼吸になると二酸化炭素が急に減り、様々な症状がおこります。主な症状は、手足が冷たくなる、冷や汗をかく、めまい吐き気、動悸、腹痛、最悪意識が朦朧としていきます。主な原因は、強い不安感、過去の同様の経験、運動などでの疲労です。そしてダイビング中はその原因の全てが起こり得るのです。

過呼吸になったときの対策をお話しします。
①まず呼吸を整える。特に大切なことは、できるだけゆっくりと時間をかけて、最後まで吐き切ることです。自律神経の働きで、呼吸を吐いてる時はリラックスでき、吸ってる時は緊張しやすいためです。また、過呼吸になると、1回あたりの呼吸が浅くなり、呼吸にとっては効率が極めて悪くなります。深呼吸の方が呼吸の効率が良いのです。

②大抵の場合、疲れもあります。ですから、岩などの動かないものやロープをしっかりと掴んで少し休みましょう。

③ストレスに関しては様々な解決法があります。私が実践していることは、近くのキレイな魚を観察することに集中する。それでもだめな場合には、困難な状態から一時意識を離すために、目を閉じて、数をゆっくりと10数える。

ダイビング中のパニックによる過呼吸は、命の危険に直結しますので十分に気をつけてください。

心配な方は、ダイビングに詳しい専門医にかかることをお勧めします。