2026/10/01
先日、私はゴッホの夜のカフェテラスという作品を見に行きました。そして、現在油絵で模写しています。
この絵は、写真にあるように夜の青い世界の中で、カフェテラスの黄色の光が美しく輝いています。
ゴッホにとっては黄色が最も重要で、好きな色でした。このことは別の院長のブログ(No.63)を参考にして下さい。
今回はその黄色の秘密をお話ししましょう。
黄色は白を除くと、一番明るい色です。白と黒は色ではないと言う考えもありますので、今回は色に含めないことにします。これについては、また別の機会にお話ししたいと思います。
私は絵を習っていますが、デッサンをしている時に、黄色が最も明るい色であることを教わりました。このことは、絵を描く人にとっては、至って当たり前のことです。
皆さんも、少しづつ目を細めていって、身の回りのものを見てみて下さい。最後まで色が残るのは、白以外では、黄色であることが分かるはずです。
ルネッサンス以前の昔から現在に至るまで、絵を描く時に、明るく見せたい場合には黄色の絵の具を使います。白の絵の具も使いますが、黄色の絵の具もよく使うのです。
それでは、なぜ黄色が明るい色になるのでしょうか。
その理由を知っている人は、美大を卒業したプロの画家でさえ分かっている人は極めて少ないのです。
1つ前のブログの中で、色を感じる場所は、目の中にある網膜の錐体細胞であることを説明しました。そして、人の錐体細胞には赤を感じるもの、青を感じもの、黄色(光ならば緑)を感じるものの3種類があります。その3種類の錐体細胞の数は均等では有りません。特に多いものが黄色を感じる錐体細胞なのです。黄色を見たときにはたくさんの錐体細胞が反応します。だから黄色は他の色よりも明るく感じるのです。それは人間の目の特徴なのです。
それでは、なぜ黄色だけを明るく目立つようにしているのでしょうか?
人の進化の中で、黄色を目立つようにする必要があったと考えられています。
黄色を感じる錐体細胞と赤を感じる錐体細胞は元は同じで、青を感じる錐体と合わせて2種類の錐体細胞しか有りませんでした。その後、ある時期に、黄色を感じる錐体細胞と赤を感じる錐体細胞が別れて、別の色として認識できるようになったのです。青を感じる錐体と 合わせて、3種類の錐体細胞が生まれたことにより、色の世界は飛躍的にバラエティーに富む素敵な世界が生まれました。
自然の中で黄色のものにはどんなものがあるか想像してみて下さい。
ハチ、トラ、カミナリなど人にとっては危険なものが多いのです。早く気がつき、出来るだけ速やかに対応しなくてはいけません。
かつての中国の皇帝が黄色を皇帝の色としていた時代がありました。それは、黄色が光輝き目立つだけでなく、危険な存在でもあることを示す意図もあったのかもしれません。
日常生活でも黄色は危険で、早く気がつく色として意図的に使われています。例えば階段の各ステップのかど、電車のホームの待機線、目に障害のある人のための凹凸の床、案内板や標識、工事の案内などにたくさん使われています。
絵を描く時にも、黄色を有効に使います。モダンアートやデザインの世界では色のイメージがとても大切なのです。これからも機会があれば他の色についても説明していきたいと思います。
